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SS NEWS(令和5年4月)~クレジットカード払い・通販の領収書~


【 クレジットカード払いの領収書 】
 半年後の10月1日からインボイス制度がスタートします。
 インボイス制度と聞くと、真っ先に「自社が発行する売上請求書」のことが思い浮かぶと思います。「自社が発行する売上請求書がインボイス制度のルールに合致しているか否か」はとても重要なことです。そして、合致しているか否かの確認はインボイス制度の「スタート時」に実施していただければ、その後、継続してチェック・確認していただく必要はございません。

 一方、「仕入、外注費、経費、資産取得」などの請求書・領収書は、継続的にチェック・確認が必要となります。
 どういうことかというと、支払請求書・支払領収書を受け取ったら、「インボイス登録番号」の記載の有無を「受け取る都度・継続して」確認していただく必要があります。(インボイス制度のルール)
 とはいえ、実務上は支払「請求書」については、継続的な取引先であれば、受け取る都度でなく「一定期間ごと」のチェック・確認で差し支えございません。

 それとは対照的に、支払「領収書」は「受け取る都度」のチェック・確認が必要です。
 支払手続きを銀行振込みで行っている会社では、仕入先や外注先から支払「領収書」を受け取る機会はほとんどないため、「領収書=経費の領収書」であると思います。経費の領収書の中でも「現金払いの領収書」は、保管していただいていることと思います。
 
 一方、「クレジットカード払いの領収書」も同様に保管していただいておりますでしょうか?
 ネットやSNSで「カード会社から送られてくるカード利用明細書を保管すれば、領収書は捨てても大丈夫」という書き込みを見かけますが、「領収書」が保管されていないと、税務調査で否認されるリスクが大きいです。(会社の経費か個人の経費か見分けがつかないためです)
 また、「積極的に捨てているわけではないけど全てを保管できていない」という場合があるかもしれません。

 会社の経費とするものは、クレジットカード払いの領収書を「全て」保管するようにお願いいたします。
 インボイス制度がスタートすると、クレジットカード払い領収書の保管が「必須」となりますのでご注意ください。なぜなら、カード会社から送られてくるカード利用明細書では、「支払った相手先がインボイス登録を行っているか否か」「登録している場合の登録番号」がわからないからです。


【 クレジットカード払いの領収書を保管してないとどうなる? 】
 インボイス制度は、会社が税務署に納税する「消費税額」に直結する制度です。
 消費税の納税額は【消費税納税額 = 預り消費税(売上に含まれる消費税) - 支払消費税(仕入・経費等に含まれる消費税)】と計算します。つまり、「支払」消費税が多いと消費税納税額が少なくなります。

 インボイス制度スタート後は、請求書・領収書にインボイス登録番号が「ある」場合は、「支払消費税あり」として計算できるので、消費税納税額が少なくなります。一方、請求書・領収書にインボイス登録番号が「ない」場合は、「支払消費税なし」となるため、消費税納税額が多くなります。

 カード利用明細書には支払先のインボイス登録番号は記載されておりま「せん」。したがって、カード利用明細書しか保管されていない場合は、インボイス登録番号が「ない」と扱われます。
 重要なので再掲しますが、インボイス登録番号が明記された請求書・領収書の保管が「ない」と、消費税納税額が多くなります。

 インボイス制度導入後の税務調査では、「経費領収書等が保管されているか、かつ、その領収書等にインボイス登録番号が記載されているか」という確認作業が、より厳しく行われると見込まれます。
 さらに、税務調査の領収書チェックは「インボイス登録番号」のみならず、「経費の妥当性」にも及ぶと予想されます。具体的には、「買ったものは何に使ったのか?(業務用か個人用か?)」「誰と行ったのか?(取引先か個人的知り合いか?)」などと深堀されると予想しております。
 税務調査に備え、すでに弊社担当者よりお伝えしております通り、飲食代は「同席した人の名前」を領収書に記載していただくことを強くお勧めします。税務専門誌等では、税務調査にて「飲食店に1人で行った」とみなされて経費否認された事例も紹介されておりますので、追徴課税とならないように、今から対策を行っていただきたくお願いいたします。

 飲食代と同様に、コンビニ等での飲食品の購入も「現場スタッフの飲み物」などとレシートに記入していただくと税務調査の時に役立ちます。世の中には「コンビニで買った自分の昼食代を経費にする」社長もいて、税務署は目を光らせております。
 「大丈夫、税務署にバレない」と思う社長もいらっしゃるかもしれませんが、税務調査では、例えば、支払先が遠方である場合には次のように資料提出を求められます。
 「社長はこの領収書に記載された日に、営業車で高速道路を使って移動したとおっしゃっていましたね。では、当日のETC記録を見せてください。ETCはクレジットカード決済なので、カード利用明細に経由したインターチェンジが記載されているはずです。移動ルートと領収書の店舗の位置関係を調べさせていただきます」などと詰め寄られます。
 
 ひと昔前に比べて、今は、「様々な証拠が残りやすく、調査官が証拠を見つけやすい」時代です。経営者のLINEやメールの記録を調べられたケースもありますので、十分ご注意ください。
 このニュースを読んでくださっているのが「経営者・経営幹部」の方でしたら、会社の経費とする「クレジットカード払い領収書」の「全て」を経理担当者にお渡しください。
 読んでくださっているのが「経理担当者」の方でしたら、このニュースを経営者・経営幹部の方にお読みいただき、クレジットカード払い領収書が経理担当者のお手元に届くようにお伝えいただきたくよろしくお願いします。


【 ネット通販でクレジットカード払いの買い物をしたら? 】
 例えば、ネット通販での買い物がクレジットカード決済になる場合はどうすればいいのでしょうか?
 ネット通販会社からの請求書が「紙」で届く場合はその「紙」を保管してください(捨てないでください)。
 一方、「通販会社サイトのマイページ」などから「ダウンロード」する仕組みになっている場合は、ダウンロードした「請求書」を保管してください。

 今月は、インボイス制度における「領収書」の重要性、および、今後の税務調査では、領収書チェックが増えることにより「会社の経費か個人の経費か」を質問されるケースが増えると予想される、という点をお伝えいたしました。
 ご不明点などございましたら、お気軽に弊社担当者にお問い合わせいただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

2023.4.11 サクセスサポートニュース(令和5年4月)