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SS NEWS(令和5年10月)~倒産増加に備えを!~


■倒産増加に備えを!■

 いわゆる【ゼロゼロ融資】(実質無利子・無担保融資)は3年前(令和2年)の5月に取り扱いが始まり、「元金返済免除の期間(いわゆる据置期間)」を「利払い免除期間」と同じ3年に設定した企業が多く、約5万社で今年7月から返済が始まったようです(日本経済新聞9月9日朝刊より)。
 そして、東京商工リサーチによるとゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は今年1月から8月で前年同期比8割増えました。返済が本格化したためです。
 ゼロゼロ融資はコロナ禍による危機を政策的にバックアップする仕組みでしたが、返済が始まるとそれが一転して重荷になっております。倒産抑制に効果はありましたが、債務膨張という副作用をもたらしました。
 「ゼロゼロ融資の返済」に加え、さらに資金繰りを悪化させているのが、健康保険や厚生年金など社会保険料の【納付猶予の期限切れ】です。コロナ禍の特例で「支払猶予期間」を最長3年間に延ばしましたが、今年に入り期限が切れ未納分の支払いが始まりました。
 猶予期間が終わると毎月の社会保険料に未納の分割分が上乗せされるため、支払額は一気に増えます。社会保険料を滞納する事業者は全国で約14万社もあるそうです。そして、帝国データバンクによると、社会保険料や税金の滞納が引き金になった倒産は、今年1月から7月に前年同期の2倍に達したそうです。

 これらの状況に【世界的な経済の分断による物価高騰】が加わり、倒産は今後ますます増えそうです。顧問先様におかれましては、今まで以上に取引先への注意をお願いします。


 【倒産の前兆】をつかむのはなかなか難しいですが、一般的には、取引先に次の兆候があると危険と言われております。

 〇 主要取引先の倒産
 〇 採算ライン割れで仕事を受ける(自転車操業の状態)
 〇 支払期限の前に売掛金を回収しようとする
 〇 給与遅配(給料日に給与が支払われない)
 〇 経理部長や経理担当者が退職する

 【決算書】の数値からみると【営業利益+受取利息+受取配当金-支払利息(手形売却損含む)】が「マイナス」で、そのマイナスが【3年以上】継続している場合は要注意です。(この算式がマイナスとなるのは「本業の利益で利払いができない」場合で、約20万社あるといわれております。)

 ところで、注意すべきは【得意先】だけではありません。【仕入先・外注先】などの協力企業が倒産するとサプライチェーンが途切れ、納期遅れや欠品などが生じかねません。
 仕入先・外注先は得意先に比べ様子を探るのが容易だと思いますので、購買担当者、調達担当者への注意喚起を含め、アンテナの感度を上げるべく、今一度の点検をよろしくお願いいたします。

2023.10.18 サクセスサポートニュース(令和5年10月)