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SS NEWS(令和4年5月)~インボイスへの対応をご検討ください~


★ 消費税を税務署に納税していない事業主様、インボイスへの対応をご検討ください!

 「消費税を税務署に納税していない会社、組合、個人事業主」を免税事業者といいます。
  免税事業者にとって、得意先・売上先との取引に大きな影響を及ぼす制度が令和5年10月1日から導入されます。

 「インボイス制度」です。

 現在、免税事業者の多くは、得意先への売上請求において消費税額を加算しております。
 具体的には、本体価格【10万円】に対し消費税額【1万円】を加算して請求総額【11万円】としている場合をさします。そして、免税事業者は、消費税額1万円が【手元に残り】(税務署に消費税を納税しないため)、その1万円は事業主の【利益】となっております。

 今後、インボイス制度がスタートすると、免税事業者は、得意先・売上先から【消費税分を加算しないでほしい】と要請される可能性が非常に高いです。
 先の具体例では、消費税額1万円が事業主の【利益】になっているとお伝えしましたが、この1万円の利益がなくなってしまいます。この例では1万円ですが、貴社にあてはめると、おおよそ「売上高✕10%相当額」の利益が減少します。
 例えば売上高が年間800万円であれば、おおよそ、800万円✕10%=80万円の利益が消失してしまいます。
 
 「経営に大きな影響を及ぼす制度」と申し上げたのはこのためです。ただし、得意先・売上先が【一般消費者のみ】(例えば、美容室や学習塾など)の場合は、経営への影響はそれほど大きくないと予想されます。


★ なぜ利益が減るのか?

 言葉でなく数字でお伝えしたほうが分かりやすいと存じますので、設例でご説明します。

設例・・・貴方は自動車修理業を営む個人事業主で年間売上高は約800万円だとします。

 今回、サクセスサポートが貴方に営業車の修理を依頼しました。
 修理代は修理代本体が30万円、消費税が3万円、合計33万円です。
 
 ここで、サクセスサポート側の【会計処理】をご説明します。

 「現在」の会計処理は次の通りです。

 サクセスサポートが修理代を「修繕費」として経費に計上する金額は33万円では【なく】、30万円(税抜き価格)となります。
 消費税額3万円は立替金の一種である「支払消費税」(正確には仮払消費税)として処理されます。

 話は変わりますが、サクセスサポートが顧問先様から受け取る顧問料収入や決算料収入のうち、消費税分は「預り消費税」(正確には仮受消費税)として処理されます。
 そして、「預り消費税」から、先ほど登場した「支払消費税3万円」を差し引いた差額を税務署に納税します。(支払消費税は預り消費税から差し引くことができる、という点がポイントです)

「インボイス制度がスタート」すると、会計処理が変わります。貴方が免税事業者のままであるならば(インボイス制度の登録をしないならば)、サクセスサポートが「修繕費」として経費に計上する金額は33万円となります(30万円ではありません)。
 免税事業者(インボイス制度の登録をしない事業者)へ支払う場合は、消費税額の3万円は「支払消費税」でなく「修繕費」に含まれることになります。いいかえると、サクセスサポートのコストが3万円増加する、ということを意味します。
 この場合、サクセスサポートとしては貴方に【消費税を加算しない金額(30万円)にしてほしい】とお願いすることになります。(あるいは、別の自動車修理工場に依頼することも想定されます。)これが、消費税を加算しないでほしいと要請される理由です。

 では、免税事業者から、消費税を納税する事業者(インボイス制度に登録した事業者)に変更すれば利益は減らないのか?という疑問が生じますが、残念ながら、この方法でも利益が減ってしまいます。


★ そもそもインボイス制度とは?

 インボイス制度は通称で、正式には【適格請求書等保存方式】と言います。
 漢字の羅列で意味不明だと思いますので分解すると、【適格】【請求書等】【保存】方式と3つの単語で構成されております。

【適格】とは、国税庁が定める記載ルールを守っていることをいいます。
【請求書等】は、文字通りで、「等」には「領収書、納品書」等が含まれます。
【保存】は、売手も買手も保存義務が課されることをいいます。

単語に分解してもまだ意味不明かもしれませんので、誤解を恐れずに簡略化すると、次の通りです。

① 国税庁へ「登録」するとインボイス(記載ルール通りに作成された請求書)発行のための【登録番号】が付与されます。
② 適格(記載ルールを守っている)を満たすためのルールは、【従来の請求書に記載していた事項】に【登録番号】を追加記載する【だけ】です。
③ 「今まで」の請求書と「適格」請求書は、「登録番号」が記載されているか否かが異なるだけです。要するに【インボイス≒登録番号が記載された請求書】という意味です。
④ 売手側はインボイス(売上請求書など)の「写し」の保存が、そして、買手はインボイス「原本」の保存が必要となります。


★ どうすればいいの?

 まずは、弊社担当者にご相談ください。本稿でご説明しきれなかった情報のうち、貴社に必要な点を追加してご説明申し上げます。
 また、貴社の数字を用いた具体的なシミュレーション(インボイス制度の登録をせずに免税事業者のままだと利益はいくら減るか? インボイス制度に登録して免税事業者から課税事業者に変更すると利益はどう変化するか?など)も可能でございますが、別途費用のご請求をさせていただく場合がございますので、事前に弊社担当者にお問い合わせいただきたく、よろしくお願いいたします。

 制度のスタートは前述の通り、令和5年10月1日ですが、第1次登録締切は、令和5年3月31日と、残り1年を切っております。
 令和5年3月31日までに登録を行わなかった場合、10月1日制度開始時は「登録番号なし」となりますので十分にご注意ください。
 弊社では、登録をご希望の事業主様には令和4年12月31日までの登録をお勧めしております。
 ご検討いただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

2022.5.10 サクセスサポートニュース(令和4年5月)