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サクセスサポートニュース平成29年7月 「役員借入金の問題点と解消方法について」

2017年7月10日

■ 役員借入金の問題点と解消方法について ■


★1 役員借入金の問題点と重要性

 会社が資金不足になったとき役員から個人資金を借り受けることがありますが、会社が返済できず役員借入金が多額になっているケース多いようです。
 しかし、実際には役員に返済できない借入金であるにもかかわらず、役員が死亡され相続が発生したとき、この役員借入金は会社への貸付金という相続財産として相続税の対象になるのです。
 会社が返済可能であれば相続人は返済金で相続税を支払えますが、会社が赤字続きで債務超過になって返済できない状態であっても、現に経営継続している以上は原則として相続税の課税対象になるという大きな問題が潜んでいるのです。
 したがって、回収が見込めない多額の役員借入金のある会社の役員は、相続人に無用な相続税負担を残さないように、可能な方法を研究しこれを減少することが重要な相続対策と考え、早急に対処する必要があります。


★2 役員借入金を減少する方法

【 年数をかけて計画的に減少する方法 】

@ 役員報酬や役員に対する家賃等を引き下げる方法

 役員報酬や家賃は会社の経費になりますが、役員の所得税、住民税の課税対象になります。これらをできるだけ引き下げて、引き下げ分を役員借入金の返済にあてれば、会社は経費の減少で業績が改善され、役員は税金や社会保険料が軽減されます。
 ただし、役員報酬金額は役員退職慰労金の支給基準に関連し、低額家賃は役員の賃貸不動産の小規模宅地評価減に関連しますので、ご相談下さい。

A 役員が会社に対する貸付金を相続人予定者に毎年分割して贈与する方法

 先ず役員が毎年相続人予定者(以下「相続人」といいます。)と110万円超の貸付金を贈与する契約書を作成し同額の貸付金を相続人名義に変更しておきます。
 更に、このままでは名義貸しとみられるおそれがありますので、後日会社が資金繰りの都合の良いときに相続人が日常使用している預金口座へ返済することとし、会社が資金不足のとき相続人から借り受ければ良いのです。
 以上によって、役員借入金は相続人からの借入金に変化し、相続税の課税対象になりません。ただし、相続人は翌年3月に贈与税の申告書を提出する必要があります。


【 短期間に減少する方法 】

B 役員が債権放棄して役員借入金を債務免除する方法

 債務免除を受けた会社は債務免除益が発生して法人税の課税対象になりますから、原則として会社に法人税法上の繰越欠損金がある場合に限ります。なお、この債務免除によって会社の株式の評価額が上がる場合がありますので、債権放棄した役員以外の株主がいるときはその株主に対し贈与税が発生するおそれがありますので、ご相談下さい。

C 役員の資金で増資し、増資資金で役員に返済する方法

 役員が役員借入金の一部または全額に近い金額を増資し、増資資金で役員借入金の返済を受ける方法です。実際はそんな余裕資金がない場合が多いと思いますので、役員が1千万円の手許金があれば、このような増資を5回繰り返すことによって、役員借入金は5千万円減少し役員の貸付金5千万円が株式に変化します。
 この方法のポイントは、相続税法上貸付金は原則として全額課税対象になりますが、株式の評価額は会社の財務状況を反映した評価額になりますので債務超過会社の場合は評価額は著しく低下することにあります。

 なお、増資を急ぎたいが役員に資金がなく、金融機関から資金を調達する方法もあります。資金移動をすべて同一の金融機関で行えば、金融機関のリスクもなく協力を得やすいと思いますが、金融機関が会社と役員のいずれが融資し易いかによって次の方法が考えられます。

* 会社が金融機関から借入れて役員に借入金を返済し、役員はこの資金で増資をする方法です。会社がこの増資資金をそのまま運転資金等に当てるか、金融機関に返済するか実情に応じて決めれば良いと思います。実際に資金需要のあるときにこの方法をとると良いと思います。

* 役員が金融機関から借入れて増資し、会社はこの増資資金で役員に返済し役員は金融機関に返済する方法です。

 ただし、これらの増資によって資本金が増加しますので、資本金基準による法人住民税が増加することを承知で決める必要があります。

D 不動産などの現物で役員借入金を返済する方法

 会社が業績の良い頃に金融機関からの融資によって店舗又は工場を購入したが、その後業績低迷によって金融機関への返済資金が不足し、役員からの借入金が増加し、多額に残っているケースが見受けられます。
 このような場合には会社所有の当該不動産で役員借入金を返済する方法です。具体的には会社は当該不動産を適正評価額で役員に売却し、役員から借り受けて使用を継続します。売却代金は役員借入金を相殺すれば良いので資金移動の必要はありません。好況時に購入した不動産は購入価額が高いので売却損が発生する場合が多いので、法人税の節税の種を得たことになる上、その後この不動産は役員の賃貸不動産に該当し、相続発生のときは小規模宅地の評価減によって土地が50%評価になり相続税対策にもなります。
 不動産賃貸料の増加だけ役員報酬を減らせば会社の業績に影響しません。不動産の時価が高くなっていて売却益が発生するときでも、法人税法上の繰り越し欠損金未満であれば、法人税の節税効果はなくても、役員借入金の相続税節税効果はあります。

E 不要不動産を売却して、役員借入金を返済する方法

 不要不動産は毎年の維持費がかかる上、時価は下がる一方であり、売却して役員借入金を減らすことは、維持費や値下がり損の抑制との相乗効果です。

F 会社契約の生命保険契約の解約返戻金で役員借入金を返済する方法

 実際に解約して得た資金で返済する方法もありますが、契約者を役員に変更することによって生命保険契約を継続すれば、解約返戻金の受給権が会社から役員へ譲渡したことになるので、この受給権の譲渡代金と役員借入金を相殺する方法もあります。

G 会社分割により役員借入金を消滅する方法

 多額の役員借入金がある会社は、役員借入金の金額に相当する債務超過になっている場合が多いようです。そこで、A会社が行っている事業のうち継続したい事業を別に新設したB会社に会社分割の方法で移転します。その結果、役員借入金はB社に承継されていないので、分割法人A社に残っています。そこで、分割法人A社は、分割後に解散・清算することにし、精算中に役員借入金の債務免除を受けるのです。
 債務免除益が発生しますが残余財産がないため、期限切れ欠損金の損金算入特例(法人税法59条3項)によって債務免除益の課税は生じません。(会社分割は事業承継の方法としても有効ですが、詳細は別の機会とします。) 

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