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SSレター(No.22) 長期不況下の経営を考える(5)

2012年06月01日

サクセスサポートレター(No.22)
               長期不況下の経営を考える(5)

                                      平成24年6月1日
                                      税理士法人サクセスサポート
                                      代表社員  小 林 晟 祐


1 会社の現況を数値的に分析し把握しましょう。

(1)決算書又は試算表から損益分岐点計算表を作成します。

 会社の現況を数値的に把握するため、まず、外部報告用の決算報告書等を経営管理用に組み替えて損益分岐点計算表(売上高、変動費、限界利益率、固定費、利益、損益分岐点売上高等の計算)を作成します。
 そのためには、すべての経費を次のように変動費と固定費に分類する必要があります。

@変動費と固定費の分類集計

 基本的な考え方については3月号で説明しましたので、ここでは、具体的に損益計算書や製造原価報告書の各勘定科目の金額を変動費と固定費に分類するときの実務的な留意点について説明します。


(ア)勘定科目による原則的な分類

 (決算報告書)        (変動費)           (固定費)
 損益計算書
  売上原価科目
      販売業    商品仕入高
             −(期末商品-期首商品)
      製造業    製品製造原価
             −(期末製品-期首製品)
 (製造原価報告書)
      材料費    材料仕入高
             −(期末材料-期首材料)
      労務費                    賃金・法定福利費・福利厚生費
      外注費    外注加工費
     製造経費    電力費・重油等燃料費   水道光熱費・消耗工具費・
                               消耗品費・賃借料・修繕費・
                               租税公課・減価償却費・
                               通信費・研究開発費・雑費
 販売費一般管理費
       科目    運賃荷造費・販売促進費  役員報酬・事務販売員給与手当・
              広告宣伝費          退職金繰入額又は退職共済掛金・
                               法定福利費・福利厚生費・求人費・
                               旅費交通費・接待交際費・
                               通信費・消耗品費・賃借料・修繕費・
                               租税公課・減価償却費・雑費

  営業外損益科目
     (注1)     −                営業外費用計−営業外収益計
  特別損益科目
     (注2)     −               −


(注1)損益分岐点計算における「利益」は損益計算書の「経常損益」ですから、営業外損益も含める必要があり、営業外損益の純額(営業外収益計―営業外費用計)を固定費として計算します。

(注2)特別損益科目は「経常損益」に関係ないので損益分岐点計算に含めません。


(イ)原則として変動費とされている科目であるが固定費が含まれている事例

   運 賃   運送会社に支払う配達運賃は変動費ですが、
          運賃勘定に車両の減価償却費・自動車税等車両関係費を
          含めているときや、車両持ち込み運送契約料等を含めて
          いるときのこれらは、固定費です。

   広告費   販売促進会費用やスポット広告は変動費ですが、
          年間契約看板料等は固定費です。


(ウ)原則として固定費とされている科目であるが変動費が含まれている事例

   給料手当  出来高給・臨時パート等給与は変動費
          (長期パート等給与は固定費)

   賃借料   通常の地代家賃は固定費ですが、
          販促会場費の賃借料は変動費です。


(エ)実務上の変動費と固定費の分類の精度の問題

 上記のように、各勘定科目を変動費と固定費に分類するにあたっては、原則と例外があります。理論上はすべての勘定科目の内容を分析する必要がありますが、手間をかけ過ぎることは好ましくありません。

 実務上は、
(A)限界利益率に与える影響の程度を考慮して必要な内容分析を行い修正する方法
(B)(ア)の原則的分類をベースに、既に判明している重要な修正だけにとどめる方法
(C)(ア)の原則的分類のままで分類する方法
があります。

 仮に、原則として固定費とされている科目に変動費が含まれているがそのままで損益分岐点計算表を作成した場合は、変動費が過少の分だけ限界利益率と限界利益、固定費がそれぞれ過大になって計算されるということを認識していれば、実務上大きな弊害はありません。

 何故かといいますと、実は、前期と同じ方法によっていれば前期比較の分析には重要な影響はありませんし、次期の経営計画に限界利益率を利用するときは若干修正すれば良いわけです。


A損益分岐点計算表の二期比較をする。

 以上のとおり、実際に変動費と固定費を分類集計し、二期分の損益分岐点計算表を作成してみて下さい。
 そして、前期の損益分岐点計算表との比較検討を行って下さい。
 ここでは、4月号に掲載した二期の損益分岐点計算表を再掲します。

            (当期)        (前期)       (増減)
  売上高       800(100%)   1,000(100%)    △200
  変動費       624(78%)     740(74%)      △116
  限界利益      176(22%)     260(26%)      △84
  固定費       210(26%)     210(21%)         0
  経常利益     △34(4%)       50(5%)       △84
 損益分岐点売上高 955        808        + 147
 損益分岐点比率   119%        81%       + 38ポイント



(ア)二期比較を行う理由

 当期だけでも現状の損益分岐点計算表の各数値は分かりますが、何故そのような数値になったかという原因分析ができません。
 二期比較によってはじめて、どの科目がどのように変化したため損益分岐点計算表の各数値が増減したかその原因を分析することができるからです。


(イ)損益分岐点計算表の部門別等分析

 更に申しますと、実際に上記の二期比較を各年度の合計金額によって分析しようとしますと、部門別又は製品群別の売上高や変動費・限界利益・限界利益率・固定費のデータがないと手詰まりになるはずです。
 そこで、有効な分析を行うためには、損益分岐点計算表の各数値を部門別に把握する必要性を痛感される筈です。

 「部門別に分析する」と申しますと、そんなに手間をかけられないと頭から諦める方が多いようですが、経営管理目的ですから、部門別の合計が会社の合計に一致するように正確に集計する必要は全くないのです。重要な部門や把握可能な部門、重要な製品群だけに絞っても良いのです。
 なお、部門別又は製品群別の分析においては、売上高と変動費(したがって限界利益・限界利益率)までとし、固定費については(部門別等の配賦計算をしないで)、本支店・営業所・工場等単位の分析のときに検討する方法が実務的です。
(続く)

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