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SSレター(No.21) 長期不況下の経営を考える(4)

2012年5月1日

サクセスサポートレター(No.21)
             長期不況下の経営を考える(4)

                                      平成24年5月1日
                                      税理士法人サクセスサポート
                                      代表社員  小 林 晟 祐


1 経営改善計画をたてましょう

 これまで、2月号で企業を取り巻く経営環境を考え、3月号で決算書数値を損益分岐点計算へ組替える方法を説明し、4月号で損益分岐点による経営の現状把握と経営計画の基本的な原理への応用方法を説明しましたが、今回から、具体的な経営改善計画について述べます。

 経営計画には、計画の期間によって、短期計画(1年)中期計画(3〜5年)長期計画(10年)があります。

 短期計画は 主に経理担当者が予算管理や資金計画のために月ごとに作成する等、経理担当の業務を円滑に行うために作成されます。金融機関へ融資申し込みの際にも作成されます。

 中期計画は、主に事業コンセプトに沿ったゴールを見据え、その目標を実現するために作成します。会社が長期的に成長するために通常必要な経営計画です。

 長期計画は、主に会社が目指すゴールやビジョンの樹立や確認のため作成されます。業界をリードできる大会社は別として、業界の変化に対応を迫られる中小企業では作成することはありません。

 このうち、実際に経営者に役立つのは中期経営計画です。
 事業コンセプトに沿ったゴールを見据え、その目標を実現するための中期計画も必要ですが、私が、今回、不況下の経営を考えるための経営計画は、上記のような中期経営計画を1〜3年単位にして、不況下において黒字経営を実現するか、という切実な課題を求めて常に試行錯誤するための経営改善計画です。

 改善項目によって、2〜3カ月で効果がでる方法や2〜3年はかかる方法もあると思いますので、まず、実現できる改善項目から逐次着手して、改善成果を積み上げるのが実務的と考えるからです。

 したがって、手法としては、@現状を分析把握し、A改善方針を検討し、B改善計画を立て、Cこれに基づいて実行し、Dその結果をチェックして最初の改善計画を見直し、実行する方法を考えています。実行後に再度分析把握して、次のサイクルを繰り返しながら、一歩一歩改善するのです。

(大きな転換を要するような決断をするときは、事業コンセプトに沿ったゴールを目標にした中期経営計画を立てる必要があることは言うまでもありませんが、今回は、省略します。)


2 経営改善計画のポイント

@会社の現況を数値的に分析し把握すること

 まず、サクセスレター(19)(3月号)で述べたように、直近の決算書又は試算表を用いて損益分岐点計算数値に組み替えて現況を総括的に検討しますが、実務上、直前期との2期比較又は3期比較の分岐点計算数値も作成し、それら2期又は3期比較によって、売上高の減少、限界利益率の低下、固定費の状況、損益分岐点売上高等の各項目がどのように変化し、利益の減少や赤字の原因になっているかを把握します。

 しかし、会社全体の数値は、会社の各種事業や各種商製品の総額ですから、このままでは、原因分析はできません。各種事業部門別又は取扱品種別の売上高、変動費、限界利益率、固定費(共通費部門を除く)等を合理的な方法で把握する必要があります。
 合理的な方法とは、業績管理部門別か、更なる細分か、重要品目別か、又は、重要性の高いものにとどめ、重要性のないものは一括のままとするなど、コストと効果の合理的なバランスを考慮して行うということです。

 なお、「金額」というものは、経営活動の量的実績を示す「数量」に、その単位当たり経済効果を示す「単価」を乗じて得た金銭的数値ですから、金額の増減原因は数量の増減と単価の騰落の二要素に分けて分析しなければ、本当の原因分析はできないという視点も重要です。単価の騰落が大きいとき、又は製商品別の販売政策等を検討する時は、合理的な方法で数量の増減と単価の騰落に分けて分析する必要があります。

A分析数値による改善方針の検討

 まず、上記分析数値が、どのように社会や経済の状況、業界の状況の変化等外部経営環境の変化の影響を受けているか、また、会社の経営方針、製造販売政策・方法等の内部経営環境のどのような欠陥に起因しているかを分析します。
 更に、これらの分析結果をベースに、それら社会や経済の状況、業界の状況の変化に対応して、事業方針をどのように修正すべきか見直しを行います。各営業部や製造部の現場の意見の吸収や幹部間の忌憚のない意見の交換、集約が必要ですが、最終的には経営者の決断が最も重要です。

B改善計画を数値目標として決定し、明示すること

 上記事業方針の見直しに基づいて、部門別・商製品別の目標売上高、目標限界利益率を積算し、サクセスレター(20)(4月号)に述べた損益分岐点計算の手法によって、会社全体の目標売上高、目標限界利益率、目標固定費、目標利益を検討します。実際は、一度で部門別等の積算結果が会社全体の目標数値と一致することはありませんから、更に、部門別も見直すというようにシミュレイションを繰り返して、最終的な売上目標等の数値を決定します。
 以上の決定手続は各部門との調整を経ているわけですが、改めて決定結果を各部門の行動目標として全社に明示する必要があります。

C改善の実行方法と期限を明確にすること

 更に、目標を明示するだけでなく、併せて、どのような方法で実施するかその実行方法を明示する必要がありますが、各部門責任者との十分な協議に基づいて、実行可能な具体的な達成方法を示す必要があります。
 目標に達成期限を設けないと、具体的な行動計画を立てようがありません。改善項目の内容に応じて、実行までの準備期間、実行の効果が出るまでの期間等を考慮し、改善項目ごとに、3ヵ月後、半年後、1年後、2年後、3年後と目標の達成期限を設けて明示する必要があります。

D実行後の数値を早期にチェックし、最初の計画を見直すこと

 理想としては、月次で見直すのが望ましいように見えますが、3ヶ月毎(4半期)が実務的です。その理由は、チェック対象期間の単位としては1ヶ月では短すぎて行動の結果が見え難いこと、この@〜Dのサイクルに早くても1ヶ月要すること、6ヶ月では改善テンポが遅くなるからです。
 結局1ヶ月ごとの推移の数値と3ヶ月計の数値との併記した資料による3ヶ月単位のチェックを翌月10日〜20日に実施し、その翌月以降の経営に早期に反映させるのがタイムリーな方法です。

(次回以降では、上記各ポイントのうち必要と思われる部分について、いくつかの例示を用いて具体的な方法を説明する予定です。)

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